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会社を辞める前に、週末から。
副業からエアコンクリーニングを始める。本業との両立と、確定申告の線引き。
いきなり独立せず、会社員のまま土日だけ現場に出る。道具代を回収し、技術と単価の感覚をつかんでから専業にする。この順番は堅実ですが、就業規則・確定申告・住民税で、専業とは違う注意点があります。会社に迷惑をかけず、税金で損をしないための整理です。
就業規則の確認:禁止か、届出制か
先に見ておくところ
副業を禁止している会社は減りましたが、「許可制」「届出制」「競業は禁止」のどれかであることが多いです。就業規則の「副業・兼業」「服務規律」の項目を先に読みます。清掃業は本業と競合しにくい仕事ですが、本業の顧客や設備を使うことは、どの会社でも問題になります。
- 禁止と書いてある場合:隠れてやると懲戒の理由になります。人事に相談するか、独立のタイミングを早めるかの二択です。
- 届出制・許可制の場合:届けを出して記録を残します。「個人事業として週末に清掃業」と具体的に書くと通りやすいです。
- 何も書いていない場合:法律上、就業時間外の副業は原則自由です。ただし本業の業務に支障が出る働き方(睡眠不足での出勤など)は、別の規定で問題になります。
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働者の副業は原則認める方向で、禁止や制限は「労務提供上の支障」「企業秘密の漏えい」「競業」などの場合に限るとされています。会社と話すときの根拠になります。
制度の確認:厚生労働省・副業・兼業 ↗
目次へ戻る ↑土日だけの集客と、受けない仕事
平日に電話に出られないので、受付と集客は自分の時間で返せる仕組みにします。
受付はLINEかフォーム
電話は折り返しになるので、LINE公式アカウントか予約フォームを窓口に。返信の目安(「夜に返信します」)を書いておくと、平日の問い合わせも逃しません。開業用の電話番号をどうする? →
マッチングサイトは空き枠だけ公開
くらしのマーケットなどは、土日だけ受付を開ける運用ができます。平日は閉じておけば、取れない予約で評価を落とすことがありません。集客を1社に任せない理由 →
受けない仕事を決める
天井埋込・業務用・古い機種の完全分解は、時間が読めず翌日に響きます。副業のうちは壁掛けに絞り、「できません」をサイトに書いておきます。
保険は副業でも入る
壁や床を汚した、エアコンを壊した、は副業でも起きます。賠償責任保険は開業前に。エアコン屋に必要な保険は3つ →
確定申告:20万円の線と、青色申告
会社員の副業で一番よく聞かれるのが「いくらから申告が要るか」です。
| 状況 | 所得税の確定申告 | 補足 |
|---|---|---|
| 副業の所得(売上−経費)が年20万円以下 | 給与1か所で年末調整済みなら、所得税の確定申告は不要 | 住民税の申告は別に必要。市区町村へ |
| 副業の所得が年20万円超 | 必要。給与と合わせて申告 | 翌年3月15日まで。e-Taxならスマホで |
| 医療費控除などで確定申告をする年 | 副業が20万円以下でも、申告する以上は副業分も含める | 「20万円以下なら書かなくていい」ではない |
「20万円」は売上ではなく所得です。売上30万円、道具と洗剤とガソリンで12万円なら、所得は18万円。この経費を証明するために、副業でもレシートと帳簿は初日から残します。
副業でも青色申告はできる
開業届と青色申告承認申請書を出し、帳簿をつけていれば、副業でも事業所得として青色申告ができます。国税庁の通達では、帳簿書類を保存していれば、収入が少なくても原則として事業所得とされ、保存がなければ雑所得と扱われる整理になっています。雑所得だと青色申告の控除も赤字の繰越しも使えないので、副業のうちから帳簿をつけることが、そのまま節税になります。
会社の給与と副業の赤字は相殺できます(損益通算)。開業初年度に道具を揃えて赤字になった場合、給与から引かれた所得税の一部が戻ってくることがあります。これも事業所得で青色申告をしている場合の話です。
制度の確認:国税庁・給与所得者で確定申告が必要な人 ↗/国税庁・所得税基本通達 35-2(業務に係る雑所得の例示) ↗/開業届と青色申告承認申請書 →
目次へ戻る ↑住民税:会社に伝わる経路を知る
副業が会社に知られる経路で一番多いのが住民税です。住民税は前年の所得で決まり、会社員は給与から天引き(特別徴収)されます。副業の所得を合算した住民税額が会社に通知されるので、給与のわりに住民税が高いと経理が気づくことがあります。
- 確定申告書の第二表「住民税に関する事項」で、給与以外の所得分を「自分で納付」にする。副業分の納付書が自宅に届き、会社の天引きは給与分だけになります。
- 自治体によって扱いが違う。副業が事業所得の赤字で、給与分の住民税が減る場合などは、「自分で納付」が選べないことがあります。市区町村の税務課に確認します。
- 届出制の会社なら、隠す必要はない。届けを出していれば、住民税で知られても問題になりません。隠すより届けるほうが、長く続けられます。
制度の確認:草加市・市県民税の納付(普通徴収と特別徴収の例) ↗。お住まいの市区町村のページで確認してください。
目次へ戻る ↑専業に切り替える目安
「土日が埋まるようになったら独立」では、少し早いです。繁忙期の土日は、副業でも埋まります。見るのは次の3つです。
- 繁忙期以外の月に土日が埋まるか10〜11月、2〜3月の予約
- 直接受注の割合マッチングサイト以外からの予約が3割
- 生活費6か月分専業1年目の冬を越す現金
独立すると、会社の社会保険から国民健康保険・国民年金に変わり、保険料は前年の所得で決まります。会社員最後の年の給与と副業の所得が合算されるので、独立1年目の保険料と住民税は、仕事量に関係なく高い。ここを貯金で越えられるかが目安です。
辞める前にやっておくこと:開業届は副業のうちに出せる。クレジットカードと賠償責任保険は会社員のうちに申し込むと通りやすい。退職後は、国民健康保険と任意継続のどちらが安いかを市区町村と健康保険組合で比べる。


