エアコンのファンは4種類|貫流・プロペラ・ターボ・シロッコの見分け方と、使われている場所

貫流ファン・プロペラファン・ターボファン・シロッコファンの図を並べた図 現場トラブル解決

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更新:2026年10月14日|家庭用・業務用エアコンの室内機・室外機のファン。図は構造を分かりやすくした概念図で、実機の寸法・枚数は機種で異なります

分解する前に、何が回っているか。

エアコンのファンは4種類。貫流・プロペラ・ターボ・シロッコの見分け方と、使われている場所。

壁掛けの中で回っている長い筒、室外機の大きな羽根、天井カセットの裏で回っている皿のような羽根。どれも「ファン」ですが、空気の通り方がまったく違います。種類が分かると、空気の通り方と、機種ごとの構造の違いが読めます。4種類を図で整理しました。

4種類を一覧で

ファンは「空気が羽根をどう通るか」で分かれます。軸に沿って通るのが軸流、軸から吸って外へ投げるのが遠心、筒を横切るのが貫流です。

種類別の呼び名空気の通り方主に使われている場所
貫流ファンクロスフローファン、ラインフローファン長い筒を横切る(貫流)家庭用壁掛けのほぼ全部、業務用壁掛け
プロペラファン軸流ファン軸と同じ向きにまっすぐ(軸流)室外機。室内機では三菱電機の霧ヶ峰FZシリーズ(2基)
ターボファン後向き羽根の遠心ファン中央から吸って外周へ(遠心)天井カセット4方向・2方向、筆者が分解したダイキンの家庭用床置形
シロッコファン多翼ファン、前向き羽根の遠心ファン中央から吸って外周へ。渦巻きのケーシングで1方向に出す(遠心)天井吊形、天井埋込ダクト形、一部の床置形・壁掛け業務用。家庭用壁掛けではシャープのAirest(エアレスト)が4基並べて採用

同じ「天井」でも、カセットはターボ、吊りはシロッコが多い。カセット形は4方向に均等に出したいので中央から外周へ投げるターボファン、吊形は前面1方向に出したいので渦巻きで方向をそろえるシロッコファンが向いています。機種によって例外はあるので、分解前に化粧パネルを外して羽根を見るのが確実です。

構造の確認:三菱電機技報・4方向天井カセット形のターボファン ↗/三菱電機技報・天井埋込形のシロッコファン ↗/霧ヶ峰FZシリーズのプロペラファン(発表時の報道) ↗

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貫流ファン(クロスフロー・ラインフロー)

貫流ファン:壁掛け室内機の断面室内機の幅いっぱいの長い筒(直径8〜10cm)細い羽根がびっしり並び、リングで区切られている軸(軸受け側)モーター側貫流ファン(横長の筒)壁掛け室内機を横から見た断面壁吸込:上面から吹出:前面の下から熱交換器ファン吸込吹出熱交換器
貫流ファン。壁掛け室内機は上面から吸い、熱交換器を通してファンに入れ、筒を横切って前面下の吹出口へ。

家庭用壁掛けの中で回っている、直径8〜10cmの長い筒です。メーカーによって「クロスフローファン」「ラインフローファン」と呼び名が変わりますが、同じものです。細かい羽根が筒の周りにねじれて並び、空気は筒の上から入って下から出ます。

  • 長所:幅いっぱいに均一な風を出せる。薄くできるので壁掛けの形に収まる。音が静か。
  • 短所:圧力が低く、羽根の間がすぐ詰まる。羽根が細かいのでカビが付くと黒い筋がびっしり見える。
  • 見分け方:吹き出し口からルーバーを開けると、横に長い筒の羽根が見える。

お掃除機能付きでも、この筒は同じです。フィルターは自動で掃除されても、筒の羽根は掃除されません。お掃除機能が動かない →

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プロペラファン

プロペラファン:室外機を上から見た断面回転鮏形の幅広い羽根が3枚。中心はボス(ハブ)プロペラファン(正面)室外機を上から見た断面モーター吸込:背面と左右の側面(コの字型の熱交換器)から吹出:正面ファン熱交換器(コの字型)吸込吹出熱交換器
プロペラファン。室外機は背面と左右の側面を囲むコの字型の熱交換器から吸い、正面のファンからそのまま外へ。

室外機の正面で回っている、大きな3〜5枚の羽根です。扇風機と同じ軸流で、大量の空気を低い圧力で動かすのに向いています。室外機は熱交換器を通した空気をそのまま外へ捨てればよいので、この形が合っています。

室内機でプロペラファンを使う機種は珍しく、代表が三菱電機の霧ヶ峰FZシリーズです。2015年の発売時に、室内機にプロペラファンを2基並べた「パーソナルツインフロー」を世界初として打ち出しました。左右のファンを別々に回して、左右で違う風量を出します。

  • 長所:同じ電力で多くの空気を動かせる。羽根が大きく洗いやすい。
  • 短所:圧力が低いので、長い風路や狭い吹き出し口には向かない。羽根の先端が薄く、手を切りやすい。
  • 見分け方:室外機は前面のグリル越しに見える。FZは前面パネルを開けると丸い羽根が2つ並んでいる。
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ターボファン

ターボファン:天井カセットの断面幅広い羽根が7枚前後。中心のナットでモーター軸に固定羽根は回転と逆向きに反り、外周へ空気を投げるターボファン(下から見た形)天井カセット4方向を横から見た断面天井吸込:中央から上へ吹出:4辺から下へモーターファン熱交換器(周囲)吸込吹出熱交換器
ターボファン。天井カセットはパネル中央から上へ吸い、ファンが外周の熱交換器へ投げ、パネルの4辺から下へ吹き出す。

業務用の天井カセット4方向の化粧パネルとドレンパンを外すと見える、皿を伏せたような羽根です。中央のベルマウスから吸って、外周へ空気を投げます。羽根は少なめで、回転と逆向きに反っているのが特徴です(後向き羽根)。

筆者が分解した範囲では、ダイキンの家庭用床置形にもこの形のファンが入っていました。床置形は下から吸って上と前に出すので、方向を変えやすい遠心ファンが使われます。機種によって違うので、分解したら羽根の向きを確かめてください。

  • 長所:プロペラより圧力が高く、熱交換器を通してから複数方向に出せる。効率がよい。
  • 短所:羽根の裏側(天井側)に汚れがたまり、下からは見えない。
  • 見分け方:中心のナット1本でモーター軸に固定されている。羽根の反りが回転と逆向き。
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シロッコファン

シロッコファン:天井吊形の断面細かい前向きの羽根が筒状に並ぶ出口は直径に近い幅。フランジで熱交換器側へシロッコファン(ケーシングつき)天井吊形を横から見た断面天井吸込:下面から吹出:前面熱交換器(前面)ファンとケーシング吸込吹出熱交換器
シロッコファン。天井吊形は下面から吸い、渦巻きケーシングの幅広い出口が前面の熱交換器に向いていて、そこを通して吹き出す。

天井吊形や天井埋込ダクト形に多い、細かい羽根がぎっしり並んだ円筒形のファンです。渦巻き形のケーシングに入っていて、出口が1か所。羽根は回転と同じ向きに反っています(前向き羽根)。換気扇のレンジフードに入っているのと同じ形です。

  • 長所:静かで圧力が出る。ダクトのように風路が長くても風が届く。
  • 短所:ケーシングの中に汚れがたまる。ファンとケーシングで重い。
  • 見分け方:渦巻きのケースから角型の吹き出し口が出ている。羽根が細かく枚数が多い。

家庭用壁掛けの例外:シャープのAirest(エアレスト)。2019年12月発売のAY-L22〜L40Pから、室内機に貫流ファンではなくシロッコファンを4基並列に並べた「4連シロッコファン」を採用しています。吸い込み口の全面を集じん脱臭フィルターで覆い、熱交換器を吹き出し口の近くに置く構造で、内部の湿度を室内と同じに保つのが狙いです。分解すると、見慎れた長い筒がなく、小さな渦巻きファンが横に4つ並んでいます。

構造の確認:Airest 発表時の報道(家電Watch、2019年11月) ↗。後継機種の構造は公式カタログで確認してください。

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必要なところを、もう少し。

図は構造を分かりやすくした概念図です。羽根の枚数・寸法・固定方法は機種で異なります。分解は各メーカーのサービスマニュアルと、自分の経験の範囲で判断してください。

この記事を書いた人
西條 洋平|東京23区・埼玉・千葉で活動する現役のエアコンクリーニング業者。同業者からの質問はお問い合わせから。運営者について詳しくは運営者情報。

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