通常分解と何が違う?ドレンパン脱着・ファン脱着・背抜きを図で解説

通常分解で本体に残る熱交換器・送風ファン・ドレンパンを示した構造模式図 現場トラブル解決

壁掛けエアコンの分解クリーニング

どこまで外すと、どこまで洗える?

通常分解でも、ファンは洗えます。ただ、付いたままでは見えにくいところがあります。そこを外して洗うのが、ドレンパン脱着やファン脱着です。

さらに背面ケースまで外す「背抜き」も含めて、いつもの洗浄と何が変わるのかを図でまとめました。

違いは、外して洗える部品

まずは大まかな違いから。この記事では、ドレンパンとファンを付けたまま洗う方法を「通常分解」としています。

表は横にスクロールできます。

比べるところ通常分解ドレンパン脱着ファン脱着背抜き
主に外す部品カバー・フィルターなど左記+前側のドレンパンファン
機種によりパンなども
背面ケース
ファンなども分ける
洗いやすくなる場所熱交換器や、吹出口から届くファン受け皿の裏・溝・排水口付近羽根の内側・ファンの奥ケースの風路・熱交換器の裏側
本体に残る部品熱交換器・パン・ファン・背面ケース熱交換器・ファン・背面ケースなど熱交換器・背面ケースなど配管につながった熱交換器

実際には、ドレンパンとファンを一緒に外すこともあります。呼び名だけでなく、今回はどこまで外すのかを伝えておくと、説明が食い違いません。

01 通常分解ファンを付けたまま洗う

通常分解。熱交換器、ファン、水色の前側ドレンパンが本体に残っている図。
ファンも水受けも、本体に付いたまま
カバーなどを外した状態。水色の部分が水受けです。

カバーやフィルターなどを外し、周りを養生して洗う、よくあるクリーニングです。熱交換器やファンは、本体に付けたまま洗います。

気になるのは、部品の陰になるところ。ファンの羽根の内側や、その奥の壁面は、付いたままだとよく見えません。洗った後に「ここまで落ちた」と確かめにくい場所でもあります。

部品を外す意味はここ。
隠れていた汚れを見ながら、洗う角度を変えられます。

もちろん、毎回そこまで外す必要があるとは限りません。汚れがどこにあるかを見て、分解を増やすか考えます。

02 ドレンパン脱着受け皿の裏まで洗える

前側ドレンパンを外した図。ファンと背面ケースは本体に残っている。
下の水色の部品が、外したドレンパン
前側のドレンパンを単独で外せる機種の例です。

ドレンパンは、冷房中に出る水を受ける皿です。ここにたまった水が、排水口からドレンホースへ流れていきます。

外せる機種なら、受け皿を手元で洗えます。溝にたまったぬめり、裏面、排水口の周り。付いたままでは見づらいところも、向きを変えて確かめられます。

通常分解との違い
受け皿を外して洗えること。ファンは、この作業だけなら本体に残ります。

ひとつ気を付けたいのが、前と後ろの水受けです。前側を外しても、後ろ側はケースに残る機種があります。水受けが全部外れたわけではありません。

ケースと一体になったタイプは、受け皿だけを外せません。ただ、ケースごと外せる機種もあります。その方法が、後で説明する背抜きです。

03 ファン脱着羽根の内側まで見える

ファンと前側ドレンパンを外した図。熱交換器と背面ケースは本体側に残っている。
中央がファン、下がドレンパン
ドレンパンとファンを両方外した例です。

吹出口の奥にある、横長の筒のような部品がファンです。細かい羽根が並んでいて、その内側にも汚れが付きます。

外すと、羽根の間や内側を見ながら洗えます。本体側もファンがなくなるので、奥の壁面に届きやすくなります。ここは「風路」と呼ばれる、風を吹出口へ導く部分です。

通常分解との違い
ファンを単体で洗えること。羽根の裏や内側の汚れを確かめやすくなります。

ファンを外しても、背面ケースが残っていれば背抜きではありません。どこまで外れるかは、機種や作業内容によって変わります。

ファンを抜くための横のスペースが必要な機種もあります。羽根の割れや変形にも注意したいところ。組み戻した後の異音や振動につながるので、作業前の状態も見ておきます。

04 背抜き背面ケースまで外して洗う

背抜きの図。上に熱交換器、中央にファン、下に水受けと風路が一体になったケースを分けている。
上:熱交換器 / 中央:ファン / 下:背面ケース
水受け一体型の例。実際の作業では、上の熱交換器を支持具などで支えます。

背抜きでは、熱交換器と冷媒配管をつないだまま、背面ケースを外します。水受けがケースと一体になっている機種なら、水受けも一緒に外れます。

ケースを手元に下ろせるので、風路や水受けの奥まで直接見て洗えます。熱交換器の裏側にも届きやすくなります。

通常分解との違い
本体に残っていた背面ケースまで、外して洗えることです。

ただし、熱交換器を支え、配管に無理な力をかけないようにする必要があります。機種や設置場所によっては、背抜きができないこともあります。

また、本体を丸ごと壁から降ろす「取り外し洗浄」とは別の作業です。このあたりは、見積もりのときに説明しておくと安心です。

背抜き・完全分解で使っている補助道具

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迷ったら、汚れている場所から考える

「深く分解した方がいい」と、先に決める必要はありません。まず、どこをきれいにしたいのか。そのために、何を外せば届くのかを考えます。

  • 受け皿のぬめりや裏面が気になる → ドレンパン脱着を検討。
  • ファンの内側や、その奥を洗いたい → ファン脱着を検討。
  • 背面ケースや一体型の水受けまで洗いたい → 背抜きができるか確認。

そのうえで、型番、作業スペース、部品の傷みを見ます。お掃除機能の有無だけでは、ドレンパンが外れるかは分かりません。メーカー名だけで決めず、その機種の構造を確認しましょう。

古い爪にひびが入っていたり、パネルが動きにくかったりすることもあります。気になるところは写真を残し、触る前にお客様へ伝えておきます。

お客様には、こんな言い方で

「いつもの洗浄は、ファンと水受けを付けたまま洗います。今回はここの汚れが気になるので、外して裏側まで洗う方法をご案内しています。」

実際の汚れを見せながら説明すると、違いが伝わりやすくなります。「完全分解」の一言より、外す部品を具体的に伝える方が分かりやすいです。

洗った後は、ここまで確認

  • 停止・電源遮断中の通水確認で、ドレンパンやホースのつなぎ目から漏れず、屋外へ排水されるか。
  • 組み立て後の冷房運転でも、水漏れ・水飛び・霜がなく排水できるか。
  • ファンが擦れていないか。異音や振動がないか。
  • 配線の挟み込みや、コネクターの戻し忘れがないか。
  • ルーバー、パネル、お掃除機能がいつもどおり動くか。

部品を戻したら、作業前の動きと比べます。通水ができたことと、冷房中に漏れないことは別の確認です。暖房で乾いた、送風だけ動いた、で終わらず、冷房と排水まで見ておきましょう。試せなかった条件は記録してお客様に伝えます。

水漏れがあれば、001の排水・冷え方・ひびの確認手順へ。電装部の水濡れが疑わしい場合は、運転せず電装部の点検を先に行います。

作業前は電源を切り、電装部を保護してください。洗剤や分解方法は機種の整備資料に合わせます。メーカーの内部洗浄に関する案内

お掃除機能や、においについて

お掃除機能付きでも、中は汚れる?

フィルターを掃除する機能と、ファンや水受けを洗うことは別です。お掃除機能が付いていても、内部の汚れは確認が必要です。

背抜きすれば、においも全部取れる?

内部の汚れ以外が原因のこともあるので、必ず取れるとは言えません。洗浄前後の状態を見て判断します。

図は業者向けの構造説明用です。特定機種の分解手順ではありません。配管・電装部・固定具などは省略し、部品を分けて見やすく並べています。

この記事を書いた人
西條 洋平|東京23区・埼玉・千葉で活動する現役のエアコンクリーニング業者。同業者からの質問はお問い合わせから。運営者について詳しくは運営者情報。

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