洗浄機は圧力だけで選ばない|熱交換器を洗う水量の話

水量が多いホースはすき間を満たして汚れを運び出し、細い高圧水流は途中で分かれて奥に汚れが残ることもある、という現場の使用感を示す比較図。青は水、茶色は汚れ、グレーはフィン。 道具・洗剤
現場での使用感をもとに描き直した模式図。水道条件、ノズル、フィンの形状や当て方で流れは変わります。

この記事には広告が含まれます。

← 洗浄機の選び方へ戻る

「3.5MPaなら足りる?」を、水の通り方から考える。手描きの考え方を整理した図解付き。

3.5MPaで十分? 熱交換器で変わる

普段の壁掛けエアコンなら、3.5MPaクラスで困ることはあまりありません。だから、これから始める方には丸山を最初の1台としておすすめしています。

ただ、最近の高スペック機を洗っていると、昔の機種より熱交換器が厚く、奥の汚れを抜きにくいと感じることがあります。そうした機種や業務用エアコンでは、同じ洗浄機で粘るだけでは落とし切れない場面も出てきます。

お掃除機能付きかどうかだけで決めず、熱交換器の厚みと、奥まで水を通せているかを見るのがポイントです。

水量は「1分あたりの吸水量」

洗浄機選びで私が見ている水量は、ポンプの吸水量です。1分間に何リットルの水を吸い込めるか。圧力と一緒に、この数字も見ています。

空室の現場などでは、水道につないだホースのほうが、3.5MPaクラスの洗浄機より1分あたりに流れる水が多く、熱交換器の奥まで流しやすいことがあります。水道やホースの条件にもよりますが、実際に使い比べて感じる違いです。

金属板のすき間を洗うイメージ

金属の板を何枚も並べて、そのすき間に汚れが詰まっているところを想像してください。細くて強い水流を当てても、すき間の汚れが残ることがあります。一方、バケツの水を一気に流すように、たっぷりの水がすき間を満たすと、汚れが押し流されることもあります。

これは水量の働きをイメージするためのたとえです。汚れをはがす勢いと、奥の汚れを運び出す水の量。両方を見ながら、裏側へ水が抜けているか、すすぎ残しがないかを確認しています。

図で見る、水の通り方

上は水量の多いホース、下は細い高圧水流のイメージです。青が水、茶色の点が汚れ、グレーの線がフィン。奥の汚れを運び出すには、水の勢いだけでなく量も大事だと感じています。

水量が多いホースでは水がすき間を満たして奥へ抜ける一方、細い高圧水流は途中で分かれて汚れが残ることもある、という使用感を示す模式図。青は水、茶色は汚れ、グレーはフィン。
手描きのメモをもとに描き直した模式図です。実際の流れは、水道条件・ノズル・フィンの形状や当て方で変わります。
図を拡大して見る

実際には、内側にも向きを合わせて洗う

こちらは、熱交換器の内側を洗っているところです。同じ向きから水をかけ続けるだけでは、狙いにくい面もあります。先端を向けられるか、水がどちらへ抜けるかを見ながら洗います。

青い手袋でレバー式ガンを持ち、養生したエアコンの熱交換器の内側へ水を当てている様子
熱交換器の内側へ、水を当てる奥まった面にノズルを向けた洗浄中の手元。洗う場所によって、ガンを差し入れる方向も変わります。

在宅と空室で、道具を使い分ける

お客様が在宅している現場では、作業の見え方も考えて高圧洗浄機を使います。専用の機材を揃えて作業していることが伝わる、という面もあります。

お客様のいない空室では、使える水道と作業環境に合わせて、ホースを直結する方法も選択肢になります。水量を多く使う場合は、養生と排水がその量を受けられることが前提です。

ここでいう3.5MPaは「普段使う洗浄機のクラス」の話です。すべてのエアコンに共通する設定値ではなく、フィンの状態や洗う部位に合わせて当て方を変えます。

この記事を書いた人
西條 洋平|東京23区・埼玉・千葉で活動する現役のエアコンクリーニング業者。同業者からの質問はお問い合わせから。運営者について詳しくは運営者情報。

運営者情報 お問い合わせ プライバシーポリシー・広告について